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たのもさん

9月1日(木)、宮島の紅葉谷公園内にある四宮神社(しのみやじんじゃ)において、「たのもさん」が行われました。

毎年旧暦8月1日の八朔(はっさく)の日に行われる「たのもさん」。

もともとは農作物への感謝の意を表すため、「たのも船」という手製の小舟を対岸にある大野のお稲荷様(五穀の神様)に向けて海に流す行事。

お稲荷様へのお礼の「踊り」をおどるという意味もあったようですが、現在では様々な願いを込めて家族単位や団体などで飾り付けした「たのも船」を流す、南町の民俗行事として今日まで継承されており、平成21年には文化庁長官から「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択されました。
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八朔とは、別名「田の実の節句」(たのみのせっく)といい、「田の実」を「頼み」にかけ、農民ばかりでなく、武家や公家の間で日頃お世話になっている(頼み合っている)人に、その恩を感謝する意味で贈り物をするようになったといわれています。

宮島学園やコミュニティ推進協議会もこの行事に毎年参加しており、7月20日(水)の夏休み前には、1~4年生で構成された4班により、地域コミュニティの方々に教えていただきながら「たのも船」を作りました。

2学期が始まり再会した仲間とともに、『世界平和』『みんな仲良く』『家内安全』…様々な願いを込めみんなで一生懸命作った船は、この「たのもさん」で海へ流します。

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午後6時から「たのも船」の受付が始まると、地域住民の方々は、紅葉谷の四宮神社に五穀豊穣等を祈願するための「たのも船」を持ち寄ります。

宮島学園の子どもたちと随行の先生方は、いったん学園へ集合した後、午後7時頃に現地へ到着。
事務局は、集合時間に合わせ「たのも船」運搬のお手伝いをさせていただきました。

年々参加者が増え、今年は、約50隻の様々な「たのも船」が提燈に火を灯し、四宮神社周辺に展示されていました。
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午後8時頃になると、「たのも船」と共に宮島学園の子どもたちは祈祷を受け、いよいよ四宮神社から嚴島神社へ移動し、「たのも船」を流しに向かいます。

みんなの願いを込めた「たのも船」は、海へ流す前に再度提燈へ火を灯し、1隻ずつ海へ放たれました。
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4隻の「たのも船」は、提燈から幻想的な光を放ち、帆一杯に夜風を受けながら、波静かなライトアップされた大鳥居へ向かって、ゆらり、ゆらりと静かに流れていきました。

「たのも船」が大鳥居の下をくぐると、その一年は良いことがあると言われています。
そのことを知っている宮島学園の子どもたちは「がんばって!」と応援しながら、ずっと見守っていました。

その昔、対岸にある旧大野町の農家の人や漁師の人たちは、流れ来た「たのも船」を縁起物として田畑の畦に供えていたそうです。
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いつの時代も「感謝の心」を忘れないよう、秋の風物詩としてこの伝統行事を継承していってほしい…

「報恩謝徳は一日にして為らず」です。
by miyajima-c | 2016-09-08 12:00 | 文化交流部会